論文の翻訳を依頼したい!目的に合った工程や費用相場を解説
こんにちは、かおりちゃんです。
海外論文の内容確認や、ジャーナルへの投稿など、論文を翻訳する目的はさまざま。
翻訳の用途によって求められる品質やスピードは違いますが、いずれにしても高い専門性と翻訳スキルが不可欠です。
自力で翻訳する時間や余裕がない場合はプロの翻訳会社に依頼するのがおすすめ。
この記事を読むと、論文の翻訳を翻訳会社へ依頼する方法や料金相場、依頼時のポイントなどがわかり、スムーズに翻訳依頼ができるようになります。
ぜひ参考にしてください。
論文の翻訳に求められるスキル
論文の翻訳は英語などの語学力があるというだけではできません。
分野の専門性と翻訳スキル、学術論文などの翻訳の実務経験が必要になります。
また、翻訳するターゲット言語だけでなく、原文のオリジナル言語についても高い言語能力が不可欠。
そのため、専門性の高い論文の翻訳はプロの翻訳者に依頼するのがおすすめです。
論文翻訳の目的を確認
「何のために論文を翻訳するのか」によって必要な翻訳工程が変わります。
まずは論文翻訳の目的を確認しましょう。
ジャーナルへ論文を投稿する
医学ジャーナルなどへ論文を投稿する場合、第三者の専門家により内容を厳格に査読されるため、高品質な翻訳が要求されます。
そのため、翻訳者による翻訳、第三者によるクロスチェック(校正)に加え、より自然な英語に仕上げるためのネイティブチェック、担当翻訳者との質問やりとり、投稿規定チェック、フォーマット調整など、多くの付帯サービスを活用する必要があります。
国際学会で研究内容を発表する
国際学会などで研究成果を発表する場合、研究内容を短くまとめた「抄録」を英語で作成して提出することが求められます。
抄録は学会により文字数(単語数)などが細かく規定されているため、日本語版を翻訳して投稿する場合は、学会の規定にも配慮しながら作成する必要があります。
翻訳の品質も重要なため、ネイティブチェックやクロスチェックの工程を組み込み、正確で読みやすい翻訳に仕上げます。
海外の論文の内容を確認する
研究の成果として世界中に発信される医学論文は、最新の研究内容のキャッチアップや研究者同士の情報共有として非常に重要です。
しかし多くの医学論文は英語で出版されるため、英語が得意でない人には内容の把握が大きな負担になってしまうことも。
内容把握のためであればそれほど高い翻訳品質は重要ではなく、通常の翻訳工程(翻訳+クロスチェック)や、機械翻訳+ポストエディット(不自然な点や誤訳などを翻訳者が修正する工程)で、早く安く仕上げるというケースもあります。
翻訳会社への依頼方法と流れ
事前にチェックすること
<分野の専門性・実績があるか>
翻訳会社はそれぞれ得意とする分野が異なるため、依頼する前にホームページなどで以下のような点を確認しましょう。
- 学術論文の対応実績
- 依頼したい分野の専門性を有した翻訳者が存在するか
- 分野の翻訳実績があるか
- 希望する言語は対応可能か
<アフターフォロー体制>
訳文の誤訳や訳抜け、読みづらなどの不備、または投稿論文のジャーナル査読者から修正コメントなどがあったときなどに、無料での修正対応は可能かなど、アフターフォローの有無について確認しましょう。
無償対応が可能な場合でも、納品後は希望通りに翻訳されているかを必ず確認し、修正が必要な場合は早めに連絡します。納品後一定以上の期間が空いてしまうと、修正対応が有料になってしまう場合もあるので注意しましょう。
論文の翻訳依頼の流れ
翻訳会社への依頼の流れは下記のとおりです。
- 問い合わせ
- 見積もり(原稿データや参考資料を提供)
- 翻訳作業
- 納品
- 修正対応(発生した場合)
- 最終納品
- 支払い
依頼時には以下のような情報を伝えましょう。
- 翻訳の目的(投稿論文であれば希望の投稿先)
- 希望の言語
- 希望納期
- 参考資料の有無
- その他文体など希望のスタイル
論文の翻訳料金について
目的に合わせて、翻訳会社ではさまざまな論文翻訳サービスを展開しています。簡易翻訳、通常翻訳、上質翻訳など、状況に応じて料金を分けているところもあります。
ネイティブチェックやクロスチェックを含んだ「上質(プレミアム)翻訳」というレベル分けをしている場合もあります。
投稿論文の翻訳などで利用されます。
上質翻訳に含まれるサービスには365日無制限再校正やカバーレターの無料作成、投稿規定に従ったフォーマットへの調整などさまざま。含まれるるサービスによって料金も上下します。
論文における機械翻訳の活用方法
機械翻訳は近年飛躍的に翻訳精度が上がっています。
とはいえその性能はまだ完璧ではなく、使用の際はいくつかの問題点を把握しておく必要があります。
公開されている論文はPDFが多い
すでに公開されている論文を翻訳したい場合、原稿となる論文はスキャンされたPDF形式がほとんどです。
機械翻訳を使う場合はテキストデータを読み込む必要がありますが、PDF原稿はテキストをうまく読み取れない可能性があります。
OCR(光学的文字認識)ソフトなどを使ってテキストデータに変換しても、原稿の状態によっては文字化けをしたり、不要な改行やスペースが大量に入ってしまう場合も。
そのため、機械翻訳にテキストを読み込ませる前に、PDFのテキスト化など、追加の作業が発生する可能性があります。
機械翻訳特有のエラーに注意が必要
機械翻訳には、固有名詞をうまく訳せない、表記の統一ができず訳ブレが生じる、原文にない文言を追加してしまう、です・ます調が混在したり、用語の一貫性が保てないなどの特有のエラーが発生するリスクがあります。
また、機械翻訳の精度はまだ完璧ではなく、内容把握など文意をつかむのが目的ならばともかく、品質が求められるような使用目的の場合は必ず人間の手によるチェック・修正作業が必要です。
目的によって人間翻訳との使い分けが重要
機械と人間は一長一短。
論文の大まかな概要把握には機械翻訳を利用し、投稿論文の翻訳は専門的なサービスを提供している翻訳会社に依頼するなど、目的によって機械翻訳と人間翻訳を使い分けることで、それぞれの長所を最大限に活かした翻訳が可能です。
まとめ
論文の翻訳は目的によって最適な工程を選ぶことが重要です。
翻訳会社に依頼する際は翻訳の目的を明確に伝えましょう。
Word Connectionは学術論文の翻訳実績が豊富で、幅広い分野の論文に対応可能です。
論文の翻訳でお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。
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