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論文の種類はいろいろ!お目当ての論文検索方法を解説

こんにちは、かおりちゃんです。

ひと口に論文といってもその種類や目的はさまざま。

論文には大きく以下のような種類があります。

  • 原著論文(article)
  • 総説論文(review)
  • 学位論文(thesis)
  • レター(letter, communication)
  • 会議録(proceedings)

この記事では、論文の種類やそれぞれの特徴、読みたい論文の検索方法について詳しく解説していきます。

原著論文(article)

原著論文は主に学術誌に掲載される投稿論文のことで、一次文献ともいわれます。

投稿前には分野の専門家が内容を厳しく査読。「内容に不備はないか」「雑誌の掲載にふさわしいか」をチェックします。

原著論文は投稿するそれぞれの学術雑誌が定める「投稿規定」に則って掲載されます。

原著論文には以下のようなことが求められます。

  • 論文内で扱っている問題は原則的に1つ
  • 研究内容は著者が独自に行ったオリジナリティのあるもの
  • 他の人が同じ実験をしても同じ結果が得られる(再現性がある)
  • 目的と結果が明確である

投稿した論文が学術雑誌に受理(アクセプト)されるかは、論文の研究内容や英語の質などさまざまな要因に左右されます。

そのため、投稿したら必ず雑誌に掲載されるという保証はありません。

総説論文(review)

総説論文は特定の分野やテーマについての先行研究を体系立ててまとめた論文で、レビュー論文や調査論文ともいわれます。

総説論文は新しい知見を示すことが目的ではなく、これまでに研究されてきた内容を分析して、包括的に把握することが目的です。

総説論文を読むことでその研究テーマにおいて現在までに何がわかっていてどんな課題が残っているのか、研究の現在地を知ることができます。そのため、分野の研究を始める際にはまず読んでおくべき論文といえます。

学位論文(thesis)

学位論文には学士論文 (Bachelor thesis)、修士論文(Mater thesis)、博士論文 (Doctoral thesis)が含まれますが、通常は博士論文のことを指します。

博士論文は大学院に在籍する博士課程の学生などが博士号を取得するために提出するもので、自身のこれまでの研究活動を総括し、考察・議論・結論づけがされた論文です。

一つの論文で複数の問題を取り扱っている場合もあり、総括論文にも似ています。

国内で発表された博士論文は国会図書館やCiNiiなどのデータベースに保存され、誰でも読めるようになっています。

レター(Letter to the editor、Correspondence、Research letter)

レターには2つの種類があります。

letter to the editorまたはcorrespondenceと呼ばれるレターは、すでに掲載された論文に対して疑問や反論、新たな見解などを投稿できる学術雑誌の読者投稿欄で、読者から著者宛ての手紙形式で書かれます。

読者の投稿により議論を深め、論文の理解を深める目的があります。

一方Research letterは自身の研究結果を簡潔に提示したレターで、分野の研究者に研究成果をいち早く伝えたいときに書かれます。

学術雑誌の原著論文と違い短い期間で査読されるため、研究の新規性や独創性を確保できます。

会議録(proceedings)

学術会議(学会)では事前に自身の研究目的や方法、結果などを短い論文にして投稿します。

会議録はこうした短い論文をまとめた冊子のことで、学会抄録とも呼ばれます。

会議録は査読条件が緩かったり、査読が入らない場合も多いため、厳格に査読される原著論文とは扱いが変わりますが、分野によっては会議録も原著論文相当の評価を受けることがあります。

論文の検索方法

ある分野の研究を行う、または論文を執筆するにあたって重要なのは、分野に関する良質な論文をとにかくたくさん読むことです。

ここからは、読みたい論文を検索する方法を紹介していきます。

論文は以下の3つの方法で検索できます。

  • 図書館の蔵書検索
  • 論文検索サイト(データベース)で検索
  • 検索エンジンで探す

図書館の蔵書検索

論文は所属する大学の図書館や一般の図書館、国立国会図書館などの蔵書検索で探せます。

蔵書検索はオンラインでも可能。ただし、各図書館が所有する学術雑誌には限りがあるため、お目当ての論文を見つけられない可能性もあります。

代表的な図書館蔵書検索サイトを2つ紹介します。

国立国会図書館サーチ

国立国会図書館をはじめ、全国の図書館や学術研究機関が所蔵する図書や論文、デジタルコンテンツを検索できるサービスです。

カーリル

全国の図書館の貸出状況を検索できるサービスです。

論文データベースで検索

論文データベースを活用することで多くの論文を検索できます。

中には無料で閲覧できる論文も数多くあるので、ぜひ検索してみてください。

ここでは6つの論文データベースを紹介します。

CiNii Research

国立情報学研究所が運営する日本最大規模の学術情報データベースサイトです。

日本国内の論文や研究データを検索できます。

J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム)

国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST)が運営するデータベースサイトです。

日本国内で出版された幅広い分野の論文がほとんど無料で閲覧できます。

学術機関リポジトリ(IRDB)

国立情報学研究所が推進する論文データベースで、各大学で作成された資料や論文を広く提供しています。

Semantic Scholar

米国のアレン人工知能研究所が開発する学術検索サービスで、人工知能(AI)が論文から意味やつながりを見つけて、利用者の研究に関連性がある検索結果を表示してくれます。

医中誌Web

医学中央雑誌刊行会が提供する医学文献情報の有料オンラインデータベースです。

日本で発行される医学、歯学、薬学、看護学、獣医学分野の原著論文や会議録など、1,500万件を超える膨大な情報を検索できます。

PubMed

米国国立医学図書館(NLM)が作成する海外医学文献情報の検索データベースです。

医学、看護学、歯学、獣医学、薬学、健康科学、介護など、出版社から提供されたばかりの最新文献を含む3,000万件以上の文献データを検索できます。

検索エンジンで探す

論文は検索エンジンでも探せます。

ここでは論文検索に便利な検索エンジンを2つ紹介します。

Google scholar

Googleが提供する、学術系に特化した論文検索サービスです。

著者名やキーワードから論文を検索でき、中には無料で本文情報を閲覧できるものも数多くあります。

Googleブックス

同じくGoogleが提供する検索サービスです。

キーワードから書籍を検索できて、一部の書籍は中身を閲覧することも可能。書籍の名前がわからなくてもキーワードから探せるので便利です。

まとめ

論文の種類や探し方について紹介しました。

論文にはさまざまな種類があり、目的や特徴が異なります。

目的の論文を効率よく探し出し、分野の知識を深めるためにお役立てください!

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