訳文改善講座──AI時代の翻訳 やっていいこと、悪いこと。
2024年12月28日(土曜日)
日本時間19時00分開始
添削の課題提出の締め切り時間を過ぎましたので、添削チケットの販売は終了いたしましたが、課題はClassroomよりダウンロードでき、自分で同じ課題に取り組んで見ることが可能です。
セミナー内では提出された課題の訳文を元にディスカッションをすすめます。もちろんセミナー内で質問も可能です!
12月28日(土)
第1部 生成AIに振り回されないためのヒント
「crocsの偽物は、ワニのロゴではなくバッタのロゴになってるから簡単に見分けることができるんだよ」
これは今から20年ほど前、日本にcrocsブームが到来したときに夫が、当時小学1年生の娘と娘のクラスメートの前で言った冗談です。夫はおそらく、偽物を指す「ばったもん」にかけて冗談を言ったつもりだったのでしょう。ところが翌日、この話は娘のクラス全員にあっという間に広がりました。常識が働く大人であればすぐに冗談だとわかる話であっても、小学1年生の子どもにとっては、大人が教えてくれた「真実」なのです。
このエピソードは、翻訳で生成AIを使う場合に重要なこと、つまり、生成AIの出力結果が正しいかどうかを見極め、誤った情報を鵜呑みにしないだけのスキルの重要性を教えてくれています。自らが主導権を持ち、対等な「大人同士」の対話ができるだけの知識とスキルが必要なのです。第1部では、そのために何が必要か、また何に注意すればよいかをお話したいと思います。
プロフィール
舟津由美子(Yumiko Funatsu)
翻訳の日生まれの翻訳者/翻訳学校講師。
フェリス女学院大学文学部英文学科卒(専門はヘミングウェイ研究)。大学卒業後、印刷会社にてDTPオペレーター、テクニカルライター。その後、ローカライザーを経てマイクロソフト社内翻訳者に。デベロッパーサポート部門付きの翻訳者として18年間、多くの社内・社外文書の翻訳に携わり、その後独立。現在はフリーランスとして都内のサイバーセキュリティ企業で社内翻訳者を務める。
2019年よりフェローアカデミー講師(実務基礎、IT・マーケティングクラスを担当)。訳書(共訳)に『インシデント レスポンス 第3版』がある。
2024年よりJTF理事。JTF翻訳品質委員、JTF業界調査委員、2020~2024年度JTF翻訳祭実行委員。
舟津由美子(Yumiko Funatsu)
川月現大
第2部 生成AIの日本語力を判定する
第2部 生成AIの日本語力を判定する
生成AIでできることについてはウェブや書籍でたくさん紹介されています。しかし、生成AIができないことや、その理由に関する説明は少ないような気がします。日本語の慣用句をうまく訳せないといった表面的な批判は意味がありません。言葉を扱う我々は、生成AIの限界を原理的に理解しなければなりません。
第2部では、生成AIなどの出力を訳例として使って訳文改善を試みます。今回の重点解説テーマは、能動態と受動態の使い分けです。原文は受動態だけど、能動文と受動文のどちらで訳せばいいのかと迷うことはないでしょうか。そういうときの時間短縮につなげていただければと思います。
プロフィール
川月現大(Gendai Kawatsuki、風工舎)
主たる業務は編集、DTP。大手ソフトウェア会社でシステム開発業務に従事後、マニュアル制作会社に転職。Microsoft、Oracleのマニュアルのローカリゼーション、書籍・雑誌などの編集を担当。1997年、風工舎設立。編著に『デジタルテキスト編集必携[基本編]』(翔泳社、2012年)がある。近年の興味の関心は、言語学(辞書学含む)や文法知識を編集や訳文チェックに生かす方法の探究。
http://www.fukosha.com/
▼エディテック[hatena]
https://editech.hatenablog.jp/
▼エディテック[ITmedia オルタナティブ・ブログ]
https://blogs.itmedia.co.jp/editech/
▼X(旧Twitter):@editech
第3部 訳文改善実践編
担当講師
(Yumiko Funatsu)
(Gendai Kawatsuki)
今回はこちらで作成したサンプル訳をベースに改善ポイントを検討していきます。
また、提出いただいた課題についても、コメントをしていきますので、ぜひ取り組んでみてください。
ディスカッションパートナー Kaori Myatt
お問い合わせはお気軽に info@humanpowered.academy まで